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芸術と学ぶ、ダビデのカリスマ的魅力〇旧約聖書「サムエル記Ⅰ・後半」14

学びたかったことシリーズ「宗教」から旧約聖書を紐解いています。前回の「サムエル記Ⅰ・前半」では、さばきつかさのサムエルが初代王としてサウルを任命しました。しかしサウルは不真面目な男で神はサウルを選んだことを悔やんだという話でした。今回は「サムエル記Ⅰ・後半」です。
あのダビデが登場し、みんなダビデが好きになる回です。長いですが絵画いっぱいで紹介していきます。楽しい回なので読んでね!

 

カリスマ的ヒーロー「ダビデ」の登場

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ダビデの最初の勝利


神は次の王をベツヘレム人のエッサイの息子の中に見つけます。それが羊番が日課の末っ子ダビデでした。サムエルがダビデに油を注ぐと、サウルは神の力が抜けたことが分かり自分に悪い霊が寄るのではないかと恐れました。サウルが厄除けのためにハープの上手な者を連れてこいと遣いを出すとダビデが来たのです。いろんなことに長けているダビデはカリスマ性がありました。サウルはダビデを弟のように可愛がりました。

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レンブラント・ファン・レイン作「サウルとダビデ」

レンブラントは絵画の中でサウルのそばでハープを弾くダビデの姿を残しています。イスラエル人は未だペリシテ人と戦っていました。ダビデは父に頼まれて兄たちの安否を確認するために戦場へ行きました。兄たちは無事を確認し帰ろうとしたとき、ダビデの前に敵のゴリヤテというスーパー戦士が現れました。ゴリヤテは筋肉隆々で力を持った大男だったのでしょう。ゴリヤテを倒した者には財宝や娘を与えると言われていました。

ダビデはサウルのもとに行き「僕は羊を守るためにクマや獅子と戦ってきた。ゴリヤテも倒せるはずだ。」と意気込みました。サウルは青銅の鎧と兜、剣を渡しましたが、ダビデは動きずらいと言って羊番に使う杖と投石器、石を5つ袋に入れて持っていきました。
投石器というのは石を遠くに投げるひも状の道具で、コントロールが可能です。

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(Wikipediaより)

真ん中に石を置き、紐の両端をもって振り回し、アンダースローみたいに投げます。 

 

ダビデ像の秘密


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ミケランジェロ作の「ダビデ像」は、左手に投石器をもち紐が背中を伝って右手まで伸びています。そして右手で紐にくるまれた石を握っています。まさにゴリヤテの前に立ち石を投げようとしている姿が彫刻されています。なんで全裸なんだ・・・

あまりダビデ像の背中は見たことありませんが、うっすら紐が伝っているので機会のある人は見てみてください。

 ちなみにこの写真はフィレンツェに行ったときにテンション上がって撮ったのですが、これはレプリカです。本物のダビデ像はアカデミア美術館にあります。(行けませんでしたが・・・)本物のダビデ像は5メートルもあるのです。きっと本物の迫力はすごいんだろうなぁ。

ダビデは投石器で石を飛ばしゴリヤテの額に命中させ気絶させると、ゴリヤテの剣を使って首をはねました。ペリシテ人たちはダビデを見て恐ろしくなり逃げ出しました。

 

カラヴァッジオが描くダビデ

ゴリヤテの首を持つダビデも絵画に登場します。

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カラヴァッジオ作「ゴリヤテの首を持つダビデ」

カラヴァッジオは17世紀に活躍したバロック色彩のイタリアの画家です。17世紀「光が物体の色を強調する」ことを発見しました。光が濃くなれば影も濃くなるという明暗を主とした「キアロスクーロ」という画法が彼やダヴィンチが盛んに用いました。カラヴァッジオの描く光は単なる光でなく「救済の光」を意味しています。このダビデの絵でもキアロスクーロが使われています。

また、この首を切られたゴリヤテはカラヴァッジオ自身の自画像を描いています。そっくり!!

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カラヴァッジオ(Wikipediaより)

 

他にも様々な画家がゴリヤテの首を取るダビデを描いています。みんなダビデが好きなんですね。ダビデは美少年に、ゴリヤテは大男に描かれています。

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ゴリヤテでかくね?

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いや、ゴリヤテでかくね??

ぜひ美術館に行った際はダビデの絵を探してみてください。

神はサウルから王の力をはく奪しダビデに授けました。ダビデは誠実でカリスマ性があり好感度が高かったので王として好かれていきました。そんなダビデに嫉妬したサウルは、ダビデを陥れようとしますが神の力で守られているダビデを殺せず、逆にサウルが戦いに負けっぱなし。

ダビデは半端ない強さで必ず勝つので「サウルは千の敵を倒し、ダビデは万の敵を倒した」という歌が巷で流行ってしまいました。それを聞いたサウルはダビデにつらく当たったりわざと大変な戦場に送ったりしていじめるようになりました。

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ダビデを襲うサウル(Wikipediaより)

ダビデを殺そうと計画しても、親しい周りの人さえもダビデを守ろうとしました。サウルの息子ヨナタンはダビデに一目置き、逃亡の手助けをしました。娘ミカルはダビデのことが好きでした。サウルは結婚の条件にダビデに難題を出しますが余裕で上回る結果を出すなど、いいところも大切なものも全てダビデに取られてしまったのです。

サウルはダビデを殺そうと決心します。勘づいたダビデは街を逃げ出します。サウルはあらゆる手を尽くしてダビデを追いますが神に守られたダビデを捕まえることができません。ダビデがサウルの前に自分から現れ「あなたはこんなにも私を追っているが、私はあなたを殺そうとは思わない。あなたはただのノミ一匹を必死に追っていらっしゃるのです。あなたに手をかけることはしません。」と言うと、サウルは声をあげて泣き、「ダビデこそ私より正しく王になるべき人だ。」とダビデを認めました。

 

しかしサウルはまだ自分を追うだろうと考えたダビデはまた放浪の旅に出ます。用心深いですね。昔の知り合いのナバルを尋ねましたが、「ダビデなんて知らない」と邪険にされてしまいます。ダビデはナバルを殺しにかかりますがナバルの妻が手土産をもって謝ってきたので許しました。しかし神は怒ってナバルを殺してしまったのです。ちゃんとそこ連携とって!ダビデはナバルの妻アビガイルを不憫に思い妻に取ることにしました。情が厚いと受け取ればよいのでしょうか・・・?後にわかるのですが、ダビデは大の女好きなのです。

ダビデはイスラエルの土地にいるといつかサウルに殺されると考え、敵であるペシリテ人の領土、ガテに住み始めました。ガテのアキシュ王に気に入られるために同胞の土地を皆殺しにしました。ダビデは自分の為ならどんなこともする、というタイプですね。

ある時またぺシリテ人とイスラエル人が戦うことになりました。ダビデはペシリテ人側で参加する予定でしたが、かつてイスラエル側についていたことをよく思わない首長たちが反対したので避難して見守りました。

この戦いでサウルの息子たちが殺されました。それを見たサウルは自分の剣で自害したのです。サウルは心の弱い男だったんですね。サムエル記はサウルの性格もダビデの性格もよくわかるので面白いですね!

 

ここで「サムエル記Ⅰ・後半」は終わりです。ダビデが才能を発揮していろんな人から好かれてく話でした。自分の為ならどんなこともする、ある意味自己中な彼のカリスマ的魅力にミケランジェロやカラヴァッジオもとりつかれたのではないでしょうか。
次回からは「サムエル記Ⅱ」です。それではまた次回。

 

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