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毎月プチ旅行

「お迎えが来たよ」で沸く法事-自由律俳句

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またもや自由律俳句を20句書きました。

今回から最後に1句だけエピソードを書くことにしました。

一つ一つ想像するもよし、読み流すもよしです。 

では、どうぞ。

 

 

 

急いで10まで数える子供

 

 

 

新居のシャワーヘッドに嫌われる

 

 

 

晴れの日は富士山が見えるらしい

 

 

 

雲ひとつない、の間に見つけた

 

 

 

ひまわりに混ざる麦わらぼうし

 

 

 

引き戸を開けてすぐ、線香のにおい

 

 

 

「お迎えが来たよ」で沸く法事

 

 

 

お経のサビが終わり、チーンのターンだ

 

 

 

歯磨きをしてもゼリーなら大丈夫

 

 

 

花火の音でしゃっくりが止まる

 

 

 

浮き輪を膨らますだけの係

 

 

 

この「押すなよ」はどっちだ

 

 

 

救急車が通り過ぎるまで静かになる食卓

 

 

 

2回目も凶だった

 

 

 

近くの札だけを狙っている

 

 

 

大きな歩幅のあとを追う雪道

 

 

 

ゲレンデマジックが適用されない

 

 

 

冷えた廊下をつま先で歩く

 

 

 

 

帰ってきた母のメガネがくもっている

 

 

 

いつ買ってきたんだろう、この合格守

 

 

 

 

 

「お迎えが来たよ」で沸く法事

 

私が小学校5年生の時、ひいおばあちゃんが亡くなった。ひいおばあちゃんは7人の子供を産み、それぞれの兄弟が孫の代までいるので、私には昔から大勢の親戚がいた。

7年目の法事の時、総勢40人は集まっただろう。

 

お寺でお経をあげ、地元の食事処まで移動する貸し切りバスを待っていた。

待合所でそれぞれの家族の近況報告が始まる。

いとこのお兄ちゃんは子供が生まれて、私は大学に入学した。

親戚の高校生は進路に悩み、中学生の息子が勉強しないと母が怒る。

おじさんとおばさんの間では健康の話でもちっきりだ。

7年前に見た時よりだいぶ弱っているおばさんもいる。

 

「お迎えが来たよ。」

とおじさんが言った。

最年長のおばさんが、

「やだ、本当にお迎えが来たのかと思ったじゃない。」

と返して一笑い。

静かだった中学生の男の子もクスりと笑っていた。

 

 

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